「脳を鍛えるには運動しかない」から学ぶ
頭の回転を速くする方法!
概要
「脳を鍛えるには運動しかない」は、2009年にジョン・J・レイティが執筆した著書であり、脳を鍛えるために運動が不可欠であることを主張しています。
具体的には、
・運動をさせた子どもは成績が上がる
・運動すると35%も脳の神経成長因子が増える
・運動することでストレスや鬱を抑えらえる
・運動で5歳児のIQと言語能力には大きな差がでる
・運動する人は癌にかかりにくい
・運動を週2回以上続ければ認知症になる確率が半分になる
などなど。
また、メンタリストDaiGoさんも「人生に大きな影響を与えた著書」として紹介し人気度が上がった一冊です。
1.脳の鍛え方
脳を鍛えるためには運動が必要だと著者は強く主張しています。
脳は運動によって刺激され、成長し、学習を促進されるため、運動が脳の健康にとても重要なのです。
また、運動が脳卒中や認知症、アルツハイマー病などの脳に関する疾患を予防することも明らかになっています。
脳の神経細胞を活性させるための具体的な運動に関しては、
週2~3日、1日あたり30分程度の有酸素運動と複雑な運動(不安定な場所を歩くなど)
を推奨しています。
複雑な運動は小脳と大脳基底核を結ぶニューロンを活性させ、注意力や判断力を高めるのに役立ちます。
2.脳と身体のつながり
著者は、脳は身体の動きを制御することを指摘し運動が脳の発達に不可欠であることを強調しています。
また、運動が脳にどのような影響を与えるかについても解説しています。
運動が脳の神経細胞を活性化し、新しい神経細胞を作り出すことで脳の学習と記憶に重要な役割を果たしています。
具体的には、
・適応性(感覚や集中力、気分、ストレス)
・免疫機能
・老化
主にこの3つの要素に影響を及ぼし、健康状態に大きく関わっています。
また、専門家達の文献によると運動することで…
・結腸がんリスク50%(↓)
・前立腺がんリスク70%(↓)
・肥満リスク50%(↓)
・骨粗鬆症 (↓)
・認知症(↓)
・心臓病(↓)
・コレステロール値43%(↓)
・糖尿病リスク65%(↓)
などの効果があります。
3.運動と学習
運動が学習能力には不可欠であり、運動が脳の神経細胞を活性化することで学習の速度を促進することができます。
また、ストレスを軽減し、心理的な健康を促進することも説明しています。
運動とは「脳を育てるもの」で「筋力や心肺機能の向上」は副次的なものだと著者は主張しています。
運動が学習を助ける3ステップ
①気分が高揚し頭がスッキリし注意力が上がる
②新しい情報記録する細胞レベルの基盤としてニューロン同士の結びつきが強くなる
③海馬(記憶する部位)の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促す
4.運動と認知機能
運動が認知機能を改善することができることを指摘し、運動が脳の学習と記憶、情動やストレスに大きく関与しています。
運動による報告されているものは、
・アルツハイマー型認知症のリスク(↓)
・認知症リスク65%(↓)
運動の習慣が少なくなってくると、GABA(ガンマアミノ酪酸)という物質が減り、ドーパミンやセロトニンなどの幸せホルモンが減ります。
これにより不安に対する耐性がなくなり持続的にストレスがかかっている状態となることで精神疾患をきたすことが多くなるのです。
また、認知機能は感情が乏しくなると発症するリスクが高まることが本書で説明されており、運動により身体に適度なストレスを与えることでドーパミン量が増え脳のバランスを整えます。
もちろん高齢者でも効果があり、ドーパミンやセロトニンは年齢と共に減少していくことも報告されています。
5.適切な運動量
脳の神経細胞を活性化させるための運動は前述しましたが、ここからは不安やストレス、学習能力の面も考慮した際に適切な運動をご紹介していきます。
①有酸素運動
頻度;週4回以上
時間;目安30~60分
強度;最大心拍数(220-年齢)の60~65%程度
例:70歳の場合 最大心拍数150(220-70)の60%=90
つまり、心拍数(脈拍)が90程度の負荷量が好ましい!
目的;認知機能の向上または維持、ストレスの軽減、体内の脂肪燃焼、生活習慣病やがんのリスク軽減
②筋力トレーニング
頻度;週2回
回数;10~15回を3セット
強度;マシンやダンベルなどの器具またはダンスやエアロビ、縄跳びテニスなどを無理のない重さ・範囲で
目的;骨粗鬆症、筋力の向上または維持
③バランスと柔軟性
頻度;週2回
時間;30分程度
内容;ヨガ、ピラティス、太極拳、ダンス、バランスボールなど
目的;有酸素運動や筋力トレーニングの効果の最大化または維持
などがお勧めです。